16回エアロ・アクアバイオメカニズム研究会の概要


第16回Proceedings

(会員のみ)

アクセスID(会員)の問い合わせは

防衛大学校システム工学群機械工学科 伊藤慎一

(代表電話 046-841-3814 Ext.2505Fax 020-4667-7397)まで.

【1】開催日時・場所
日 時:2005318日(金)13:0017:00
会 場:東京大学駒場Tキャンパス(目黒区駒場3-8-1
アドバンストラボラトリ棟410号室 

 

【2】講演プログラム

【招待講演】(講演時間30分 質問10分)

13:00-13:40

横井 隆氏 ((株)ブリヂストン)

イルカの人工尾びれ
プロジェクト

沖縄美ら海水族館で飼育しているバンドウイルカ(個体名:フジ)は、感染症および循環不全のために壊死した尾びれを、両遠位端から切除する治療を受けた。一命を取り留めるも、尾びれの約75%を失い、遊泳能力が著しく低下した。そこで、(株)ブリヂストンとの共同研究により、人工尾びれの作製に着手し,形状・取り付け方法等の検討を重ねた。その際、より機能的・科学的な検討するため、船型試験水槽にて揚抗力測定の実験を行い、人工尾びれの最適化を進めた。人工尾びれを装着することにより、他のイルカと並泳したり、全体重を水面から出す垂直ジャンプを行うなど、尾びれを失う前に近い遊泳能力を取り戻した。

13:40-14:20

上田哲男氏(北海道大) 

インテリジェントな粘菌:
 細胞形状と情報の自己組織系として

インテリジェンスとは、環境を認識し、それに適応し、目的へ向かって働きかける能力である。粘菌変形体の巨大なアメーバ様細胞であるという特徴を利用して、その細胞行動と形態形成を解析する。情報受容、統合、判断、コンピューティイング、リズム創発、多重リズムの秩序、アロメトリーなどを、代謝ネットワークあるいは結合振動子系の集団運動における散逸構造間の遷移との視点から解析する。

14:20-15:00

高信英明氏
(工学院大)

昆虫型ロボットの機構と制御

 

15:00-15:20    コーヒーブレイク

15:20-16:00

庄司隆行氏(東海大学)

魚類嗅覚系の構造と機能

魚類には、高等脊椎動物では退化してしまった生体機能を高度に発達させている種が少なくない。嗅覚を用いた様々な行動を行なう種はその典型的な例である。例えば、サケは成熟した後生まれた河川に正確に回帰する。この母川回帰にはサケの嗅覚系が大きく寄与している。本講演では、魚類の嗅覚系について概観し、特異的行動の例としてサケマス類の母川回帰に関する実験を紹介する。

【一般講演】 (講演15分,質問5)

16:00-16:20

中村太郎
(中央大学理工学部)

蠕動運動型移動ロボットの開発

ミミズの移動様式は蠕動運動と呼ばれ、他の移動様式と比べ移動に必要な空間が少ない。 また、細管内や不整地・水底などでの移動をが可能であり、 レスキューや極地探査ロボットへの適用も期待されている。 本研究ではミミズを規範とした蠕動運動型ロボットを開発し、その移動パターンなどの基本的な特性について検討した。

16:20-16:40

中島求 
(
東京工業大学大学院)

水泳人体シミュレーションソフトウェアSwumsuitの開発

著者らは水泳運動に対して,人体の相対運動(関節角)を与え,流体力を簡略化して考慮し絶対運動を求めるシミュレーションモデルSWUMをすでに提案しているが,当モデルは開発者以外の使用は困難であった.そこで今回人体形状・関節運動等の入力や,人体速度・関節トルク・アニメーション等の出力について簡単に操作できるGUI部を開発し,解析エンジン部と統合したソフトウェアSwumsuitとして一般に公開したので報告する.

16:40-17:00

西尾 茂
(神戸大学大学院自然科学研究科)

川村 孝文
(神戸大学海事科学部)

魚類型推進における尾鰭の迎角制御に関する研究

 

著者らは,これまでに多関節翼模型を用いて魚類型推進のメカニズムに関して研究を行なってきた.従来は,翼運動の振幅,位相速度などに注目をして,自航速度の変化などについて検討を行ってきた.本研究では,トレーリングエッジの迎角制御と推進性能の関係について,流体力計測ならびに回流水槽における流れの可視化などから,流体力学的な特性について検討を行った結果について報告する.

17:00-17:20

青野光
(千葉大学大学院工学系研究科)

劉浩
(千葉大学工学部電子機械工学科)

昆虫羽ばたき飛行の計算流体力学的研究

昆虫飛行は近年、小型飛行体の飛行原理として工学的に応用しようと盛んに研究されているが、未だ完全に昆虫飛行メカニズムは解明されていない。そこで、我々はスズメ蛾の羽ばたき飛行を厳密な幾何学モデル、運動学モデル及び力学モデルに基づいた力学シミュレータを用い、静止・前進飛行における胴体・羽ばたき翼周りの非定常且つ大規模な渦流れを解析し、広範囲のレイノルズ数領域(1〜7500)にわたり、揚力や推力の発生メカニズムについて検討を行った。それについて報告する。

17:20-17:40

六車義方
(六車発明研究所所長)

動物をヒントに開発された車椅子自転車

高齢者に乗り易くて安全な自転車を提供したいと考え、車椅子と
自転車を合体させた2種類の車椅子自転車を開発しました。動物の動き方をヒントに
作ったこの車椅子自転車の開発経過および構造と特徴について講演する。

18:0020:00 懇親会


○会員申込および問い合わせ先
事務局:
伊藤 慎一郎<ito@nda.ac.jp>
239-8686 横須賀市走水1-10-20
防衛大学校システム工学群機械工学科伊藤研究室
エアロ・アクアバイオメカニズム研究会事務局
FAX 020-4667-7397
電 話 046-841-3814 Ext.2505

○非会員の方へ:入会の手続き方法
本研究会の会員でない方が研究会(講演会)へ参加される場合,そのつど参加費3,000円(学生は無料)を徴収し,研究会資料をお渡しします.本研究会は年会費は5,000円(正会員),学生は無料です.入会ご希望の方は上記事務局までお知らせ頂くとともに,下記の銀行口座に会費5,000円をお振込みください.(学生会員の場合は上記事務局までの連絡だけで結構です)

送金先: みずほ銀行 鳥取支店627 普通預金1617648
      後藤知伸(ゴトウトモノブ)

なお,連絡先と送金先の名義が異なります。


○会員の方へ
正会員の方は今年度の会費の納入をお願いいたします(5000).会費は上記口座へお振り込みください.また,当日会場でお納めいただいても結構です.なお,学正会員の方は無料ですが,会員を継続される旨,事務局までご連絡ください.

以上