時間
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講演者および演題
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概要
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14:00-14:10
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開会の挨拶・諸連絡
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【招待講演(前半) 3件】 (○印が講演者)
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14:10-14:50
(40分)
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○山崎剛史 (山階鳥類研究所))
「鳥類のロコモーションとボディプラン」
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鳥類は羽毛という独特の皮膚構造を持つことによって、後肢を犠牲にせずに翼面を形成することに成功した唯一の脊椎動物である。彼らは翼に加え、独立して動く後肢を持つことで、飛翔と走行という2つのロコモーションを高度に行える希有な存在となった。彼らのボディプランは飛翔と走行の両方への適応という観点から理解することができる。彼らの現在の繁栄をもたらした一因は、移動手段の二重化に求めることができるだろう。
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14:50-15:30
(40分)
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○篠原現人 (国立科学博物館)
「体系学と形態学からみた魚類の泳ぎ方について」
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生物学において、体系学とは生物多様性、機能形態学、分類学、系統学、生物地理学を包む研究分野である。魚類体系学は魚類の生物学や生態学、水産学、保全生物学に対して重要な役割を担っている。現生の魚類は約3万種いると考えられ,
世界中のほぼ全水域に生息している。体系学は活発で動的な研究領域である。現在においても魚類の新種や新属が様々な生息域から発見されている。加えて、体系学的な情報は新しい科の設立や科間の関係を明確にする。魚類は水の中にすんでいるが、彼らが生息する物理的環境の多様性は流体力学的にみても広い範囲をカバーしている。例えば、あるグループは外洋に生息し、高速遊泳魚として知られ、一方で他は定住性で泳ぎが上手ではない。魚類の中に体系学的位置や形態学的特徴に関係する様々な遊泳法を見出すことができる。分類群と遊泳法の関係について概観する。
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15:30-16:10
(40分)
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○工藤成史、中村修一 (東北大学大学院 工学研究科 応物物理学専攻)
「バクテリアの運動と行動」
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バクテリアは微生物の中でも小振りな単細胞生物である。彼らはべん毛モータと呼ばれるロータリーモータを使って、らせん形のべん毛を回転さ せ、水中を泳いでいる。泳ぎながら、彼らはより好ましい環境を探索している。そのような運動を、ここでは行動と呼ぶ。今回は、バクテリアの運
動の仕組みと行動パターンの特徴について紹介する。
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16:10-16:20
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休憩(10分)
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【一般講演 3件】
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16:20-16:40
(20分)
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○六車義方 (NPO法人発明大学校)
「子供飛行機の試作と飛行実験」
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子供羽ばたき飛行機の試作が完了し、人形を載せた飛行発射実験が行われた。今回の試作飛行機の概要を説明し、飛行実験の結果を発表する。
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16:40-17:00
(20分)
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○永井獏 (沖縄平和クラブ)
「渦対の運動について」
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著者らは、2002年以来、古典流体力学/渦理論に歴史的な誤りがあったと指摘し、多くの国際会議でそれを訴えてきた。著者らの指摘はほぼ世界中の専門家、権威者の間に知れ渡り、今日ではそれを知らないものの方が少数とさえ言える状況になった。しかし、残念なことに、著者らの指摘は、その科学的な重要性にも関わらず、まだ学会の公的な支持、認知を得るには至っていない。講演では、改めて基礎流体力学理論、渦対周りの流れ、および渦対周り流れと種々の強さの一様流の重ね合わせについて述べる。
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17:00-17:20
(20分) |
○本松誠浩、稲田喜信 (東海大学大学院 工学系研究科 航空宇宙学専攻)
「鳥の風切り羽を模した集合翼における弾性変形の効果について」
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鳥の風切り羽は失速防止や誘導抗力低減の効果があることが知られているが、それらは木やアルミなどの金属で作られた硬い模型の風洞実験結果に基づいていた。今回の研究では、硬い模型に加えて実際の鳥の羽に近い柔らかい素材で作られた風切り羽の模型を用いて風洞実験を行い、空力性能や飛行安定性に対する影響を比較した。その結果、弾性を持つ集合翼は持たない集合翼に比べて横方向の安定性が高く、外乱に強い翼であることが確かめられた。
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17:20-17:30
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休憩(10分)
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【招待講演(後半) 2件】(○印が講演者)
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17:30-18:10
(40分)
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○田中博人 (千葉大学・上海交通大学国際共同研究センター)
「飛翔生物を規範としたマイクロ羽ばたき機構」
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昆虫や小型の鳥などの飛翔生物の羽ばたき飛行は,超小型飛行ロボットの規範として工学的にも注目されている.しかし飛翔生物の翼運動は複雑かつ高速であり,小型飛行ロボットの厳しい重量制限の中でそのまま模倣するのは困難である.そこで本講演では,羽ばたき機構に柔軟な構造を取り入れることで,翼運動の一部を受動的に引き起こし,飛翔生物と同じサイズ・重量の超小型羽ばたき機を実現するという設計コンセプトを提案する.具体例として,チョウ型羽ばたき機,ハナアブ型羽ばたき機,ハチドリ型羽ばたき機を紹介する.
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18:10-18:50
(40分)
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○小林俊一 (信州大学繊維学部 機械・ロボット学系バイオエンジニアリング課程)
「ゴカイの遊泳を規範とした全方向移動型流体内推進機構」
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生物の屈曲運動に伴う遊泳方向についてみると,ゴカイのような体表面に突起を持つ生物と滑らかな体表面を持つ生物とで異なり,これは屈曲体表面の流体に対する抵抗の法線方向成分と接線方向成分の大小関係が逆であるためである.そこで,抵抗の法線方向成分と接線方向成分を自由に変化させれば,屈曲運動を全く変えずに全方向の移動が実現できると考え,屈曲運動をする全方向移動型の流体内推進機構を開発した.
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18:50-21:00
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移動・懇親会
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