エアロ・アクアバイオメカニズム学会 第34回定例講演会


第34回Proceedings
(会員のみ)

アクセスID(会員)の問い合わせは

事務局(inadatokai-u.jp,全角@を半角に)まで.

【1】開催日時・場所 

  • 日 時:2016年3月23日(水)12:00~18:30
  • 会 場:東京工業大学 大岡山キャンパス 西5号館W531講義室
        (〒152-8550 東京都目黒区大岡山2-12-1)
    <キャンパスへの案内>
    http://www.titech.ac.jp/maps/index.html
    <キャンパス内の案内>
    http://www.titech.ac.jp/maps/ookayama/ookayama.html
    (会場は15番の建物)
  • 参加費:本学会会員は3000円,非会員は4000円,学生はいずれも無料.

    ※懇親会:同日 講演会終了後,大学生協第1食堂にて(予算:一般:3000円 学生:1000円)


【2】プログラム 

時間

講演者および演題

概要

12:00-12:20

総会(会員向け)

2015年度活動報告・会計報告

招待講演(前半) 2件】 (○印が講演者)

12:20-13:00

(40)

 

○若林憲一(東京工業大学 資源化学研究所)

「緑藻クラミドモナスとボルボックスの走光性のしくみ」

単細胞緑藻クラミドモナスは,2本の鞭毛を使って水中を泳ぐ一方,葉緑体を持ち光合成を行うという,動物と植物両方の性質をもつ.この生物がどのようにして走光性を示すのか,即ち生存に適した光環境に向かって遊泳方向を転換するのかを議論する.さらに,クラミドモナスに似た細胞が数千個球形に集まった多細胞緑藻ボルボックスが示す走光性のしくみについても触れる.

13:00-13:40

(40)

 

○石本健太(京都大学白眉センター)

「受精における精子遊泳ダイナミクス」

次世代に遺伝情報を伝えるために,多くの生物種で精子は遊泳を行うが,受精のプロセスにおいて遊泳はどのような役割を担っているのであろうか.精子まわりの流れは低Reynolds数のStokes方程式で記述され,流れ場を数値的に解析することで,遊泳精子にはたらく複雑な流体相互作用を理解することができる.講演では,哺乳類精子や魚類精子の走触性・走流性に関する流体力学的なメカニズムとその生物学的な意味について議論する.

13:40-13:50
(10分)

休憩

 

【一般講演(前半) 4件】 (○印が講演者)

13:50-14:10

(20)

 

○須藤誠一,諏佐拓己(秋田県立大学),山本翔也(静岡大学)

「クロウリハムシの運動に関する諸特性」

陸生の歩行節足動物は発達した付属肢を用いて体を地面から持ち上げ移動する.また,飛翔昆虫は翅を有し,翅をはばたくことで航空力学的な力を生成し,昆虫の体を空中に持ち上げて移動する.昆虫は主体とする生態系に応じて運動器官を発達させてきた.そのため,移動の瞬間に至るまでの時間は,それぞれの昆虫によって微妙に異なり,その差が昆虫自身の危機に対応する様態にも現れる.ここでは,クロウリハムシをとりあげ,その運動特性について考察する.

14:10-14:30

(20)

○野村達也(愛知工大大学院),北川一敬 ( 愛知工大),鳥居祐太(愛知工大大学院),小西康郁(東北大)

「8の字運動をする羽ばたき機構の研究開発」
近年,小型羽ばたき飛翔体MAVの開発が多くの研究者によって盛んに行われている.本研究グループでは,コガネムシ科甲虫とハチドリが行う8の字の羽ばたき運動の特徴の違いに注目し研究を行っている.本稿では,ハチドリの8の字の羽ばたき運動を模倣した羽ばたき装置を試作し,その羽ばたき装置の機構の概要,羽ばたき翼後方の流速分布の可視化実験(PIV)およびカンチレバーを用いた推進力計測実験の結果を報告する.
14:30-14:50

(20)

○上野 謙,後藤夏輝,稲田喜信(東海大学 工学部 航空宇宙学科)

「トウザヨリの飛行性能の分析」
トウザヨリはダツ目に属する魚で細長い体と良く発達した胸鰭を持ち,トビウオのように水面上を滑空することができる.その飛行姿勢は独特で,トビウオのように水平尾翼として使われる良く発達した腹鰭を持たないため,胴体の後半部を90度捩って背鰭と尻鰭を水平尾翼として飛行する.その飛行性能は未知であったため,実物のトウザヨリを参考にして模型を作成し,風洞実験を行って飛行性能を分析した.その結果,トビウオと比べて1/3程度の揚抗比を持ち安定な飛行が可能であることがわかった. 
14:50-15:10

(20)

○岡本正人(金沢工業大学),  橋本昂太(金沢工業大学大学院), 塩崎友也(金沢工業大学)

「昆虫サイズの翼型空力特性のレイノルズ数効果」
大きな航空機のような高いレイノルズ数の翼型の空力データは多数存在する.一方,昆虫の翅の断面形状のようなレイノルズ数ReがRe≦10,000の空力係数データは殆ど得られていない.これは,翼に作用する空気力が非常に小さく測定が困難であるためである.そこで,私たちは小さな翼の空力特性を得るために専用の低圧風洞を開発し,1000≦Re≦10,000での翼型の空力特性を測定した.今回は,レイノルズ数依存性の大きな昆虫サイズの翼型の空力特性について紹介する.

15:10-15:20
(10分)

休憩

 

【招待講演(前半) 2件】(○印が講演者)

15:20-16:00

(40分)

○水口 毅(大阪府大大学院),右衛門差佐 誠(ベクトル総研),早川美徳(東北大学),Gábor Vásárhelyi(エトベス大学),Máté Nagy(マックスプランク研究所)

「鳥の群れの動的挙動について」

飛んでいる鳥の群れの動的挙動を解析した.ステレオカメラによって得られたユリカモメの群れの動画像から,個体の三次元的な位置を再構築することが可能になった.その時系列を解析することで,個体の相対位置や速度・羽ばたき運動などを定量化した.これらの量に関する運動学的な知見を報告する.あわせて,GPSを用いたハトの群れの運動に関する解析結果も紹介する.

16:00-16:40

(40)

○加藤 直三(大阪大学大学院工学研究科)

「海に学び,海と人を守る」

この講演では,「海に学ぶ」,「海を守る」,「人を守る」について,研究の背景,視点,方法,結果,課題の点から,エアロ アクアバイオメカニズムと関連づけて,これまでの研究の総括を行う.「海に学ぶ」では,魚の胸ひれの運動の解析と胸ひれ運動装置を装着した水中ロボットについて,「海を守る」では,重油やガスを自動追跡するブイロボットについて,「人を守る」では,大規模な地震・津波に襲われた大規模工業地帯からの油やガスの流出に伴う災害の低減について,説明する.

16:40-16:50
(10分)

休憩

 

【一般講演(後半) 5件】(○印が講演者)

16:50-17:10

(20)

○白石直也,上野 謙,稲田喜信(東海大学工学部航空宇宙学科)

「遊泳時の手の形状と推進力との関係について」

クロール泳ぎの際に手によって作られる推進力は,手の形の影響を受けて変化する.どのような手の形が最も大きな推進力を発生させるのかを明らかにするために,水泳経験者の意見を参考にして異なる種類の手の石膏模型を作成し,風洞実験を行ってその性能を比較した.その結果,指を少し開いて隙間を持たせた形が最も大きな流体力を生成することがわかった.また,その際の手の動かし方はS字泳法と呼ばれる手の平をSの字状に動かす方法であった.

17:10-17:30

(20)

○久貝克弥, 三輪祐希(近畿大学高専)

「クロマグロの遊泳能力解析と魚ロボットへの応用-マグロ型尾ヒレの推進能力-」

尾ヒレの角度を能動的に制御できる機構を製作し,本研究で提唱している尾ヒレ角度制御アルゴリズムで動作させ遊泳実験を行ったところ,マグロ型尾ヒレよりも同一翼長同一翼面積の矩形尾ヒレの方が高い推進力を示すという結果となった.この原因は尾ヒレ角度制御アルゴリズムにあると推定しており,尾ヒレの動作と尾ヒレ形状との組み合わせによる推進力の違いについて考察する.

17:30-17:50

(20)

 

○藤原慎平(九州大学大学院工学府), 山口 悟(九州大学大学院工学研究院)

「複数の人工筋肉とサーボモータを併用した魚類型ロボットを用いた水生生物の観測」

九州大学では形状記憶合金型の人工筋肉とラジコン用サーボモータで駆動する魚類型ロボットを開発している.本機体はアクチュエータの搭載スペースが確保できる胴体部分にはサーボモータを,搭載スペースが狭い各鰭付近には人工筋肉を搭載する魚類型ロボットである.本報告ではこの機体を実水域で使用するための最初のステップとして,加速度センサ及びジャイロセンサ,小型ビデオカメラを搭載し,実水域で水生生物を撮影する目的で泳動させた.
17:50-18:10

(20

○崔 磨美, 奈良祥太朗, 三宅真亜子, 高橋 俊, 稲田喜信(東海大), 酒井麻衣(近畿大), 森坂匡通(東海大)

「OpenFOAMによる並泳する親子イルカの位置と抗力変化の関係調査」
親子イルカが並泳する行動について解明するため,親子イルカを長さの異なった2つの流線型と近似して数値流体解析を行った.最初に子供イルカ単体と親子で横並びに並泳しているときで比較を行った結果,単体の抗力係数の方がわずかに低いことがわかった.これは親子間のベンチュリ効果により,摩擦抗力が増大した為,このような結果になったと考えられた.この結果を元に,親子間の位置を変化させ,それぞれの抗力増減を比較した.
18:10-18:30

(20

○田中貴大(大阪市立大),趙 洋,福原正晃,高田洋吾(大阪市立大学大学院)

「水面を遊泳する魚ロボットの遠隔操縦」
水深深くでは電波が届かないため,水中ロボットには有線接続された基地局を介した遠隔操縦または自律制御での遊泳が必要とされるが,水深が浅い場合は電波が届く.そこで本研究では,水深が浅い場合を想定の上,小型魚ロボットを製作し,そのロボットの推進性能を測定した.またカメラで取得した映像をWi-Fiを用いて外部に送信し,その映像を見て水面付近を遊泳する魚ロボットを操縦できるようにした.

18:30-

移動・懇親会

 



【3】参加申込み方法 

参加ご希望の方は参加名簿作成の都合上,下記の情報を記載の上,2016年3月12日(土)までに電子メールもしくはFAXにて事務局まで「エアロアクアバイオ参加申込」の件名にてお送りください.参加費,(会員の方:2016年会費),および懇親会費は,当日会場にてお支払いください.

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氏名:
勤務先,所属:
郵便番号,住所:
Tel:
Fax:
E-mail:
会員資格(正会員,非会員,学生会員,一般学生)
懇親会申込(する,しない)
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○参加申込および問い合わせ先

事務局:
〒259-1292 神奈川県平塚市北金目4-1-1
東海大学 工学部 航空宇宙学科 航空宇宙学専攻
稲田喜信研究室内
エアロ・アクアバイオメカニズム学会事務局
E-mail: inada@tokai-u.jp
上記E-mailアドレスの全角@を半角@に変更してご利用ください
TEL: 0463-58-1211 (Ext.4453),FAX: 0463-50-2060
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○非会員の方へ:入会の手続き方法

本学会の会員でない方が学会(講演会)へ参加される場合,そのつど参加費4,000円(会員は3,000円,学生は無料)を徴収し,学会資料をお渡しします.
なお,会員になりますと過去の学会資料集も学会HPからダウンロードできます.
本学会は年会費は2,000円(正会員),学生は無料です.
<入会の手続き方法>
入会ご希望の方は事務局までお知らせください.事務局から送金先を別途ご連絡いたします.(学生会員の場合は事務局までの連絡だけで結構です)
なお,ご入会希望で第34回定例講演会に参加の方は,当日の受付で年会費をお支払いになり,会員資格でご参加しても結構です.

以上