37回エアロ・アクアバイオメカニズム学会


第37回エアロ・アクアバイオメカニズム学会定例講演会は下記の要領で開催されました.
本講演会は,広島大学で行なわれました.

  第37回Proceedings
(会員のみ)
 アクセスID(会員)の問い合わせは

事務局(aitohcck.dendai.ac.jp,全角@を半角に)まで.

【1】開催日時・場所 

  • 日 時:2017年9月19日(火) 13:00〜17:40(予定)
  • 会 場:広島大学大学 東千田キャンパス  S棟205講義室                       (〒730-0053 広島県広島市中区東千田町1丁目1)
        <キャンパスへの案内およびキャンパス内の案内>
      https://www.hiroshima-u.ac.jp/access/senda/
      https://www.hiroshima-u.ac.jp/access/senda/map_senda
        

     参加費:本学会会員は3000円,非会員は4000円,学生はいずれも無料.

     ※懇親会:同日 講演会終了後,18:15-20:15予定


【2】内容

・招待講演
・一般講演
・懇親会

【3】一般講演の申込み

一般講演の申し込みは,締め切りました.

【4】講演プログラム 

時間 講演者 概要
第1部 招待講演(1件),一般講演(2件)
13:00-13:40
(40分)
○西森拓(広島大学理学研究科数理分子生命理学専攻 )

「賢くない個体たちによる知的な集団行動 -- アリの集団採餌における自律的分業--」
アリはハチと共通の祖先から進化し、個々の構造や振る舞いを単純化させる一方で、コロニーとしての協調行動を複雑化させてきた。本発表では、微小RFIDチップを使った多数個体の個別行動履歴計測の結果を紹介する。とくに、従来広く信じられてきた、日齢に応じたコロニー内採餌役割分担の漸進的変動(=「逆年功序列」:齢をとるにつれて採餌などの外働きに出る)、という描像に関して実データを示しながら否定的な方向から検証し、採餌に関する「役割分担表」は時間に応じて大きくスイッチングすることを示す。
13:40-14:00
(20分)
○山田稔大,飯間信(広島大学大学院理学研究科数理分子生命理学専攻)

「 鞭毛上を伝搬する孤立波による微生物遊泳機構の効率解析」
ミドリムシは遊泳時,進行方向に生えた単一鞭毛を用いる。その遊泳時の様々な鞭毛運動は,他の微生物とは異なる遊泳機構を示唆する.中でも方向転換時の鞭毛運動は,鞭毛が1つの輪を作り伝搬させることで力を得るというものである.この運動をモデル化し,抵抗力理論や,Regularized Stokeslet methodを用いた数値計算により推力やトルクあるいはそれらの効率を解析した結果について報告する。
 14:00-14:20
(20分)
 ○早坂望、須藤大地(東京電機大学大学院),伊東明俊(東京電機大学工学部)

「レーザ光で誘導したミドリムシの生物対流制御によるシーソー駆動」
 ミドリムシが青色レーザ光に集まって集団を形成する正の光走性を利用し,高密度ミドリムシ懸濁液が入った深さ10mm程度のプール内においで,レーザ光を照射することで商社位置にミドリムシの集団を形成し,そこから発生する下降流を用いてプール内に設置したシーソーを駆動させる実験を行った.その結果,これまで水平方向から照射していたレーザをプール上面から垂直面上に入射させるように変更したことで,シーソーを安定駆動することに成功したので,報告する.
14:20-14:40
(20分)
休憩
第2部 招待講演(1件),一般講演(2件)
14:40-15:20
(40分)
〇西川完途 (京都大学大学院人間・環境学研究科)

「両生類のロコモーションと形態的適応」
両生類は世界に約7700種も生息しており、種数では哺乳類よりも多い。そして地上、地下、水中、樹上と多様な環境にも生息するために、その運動様式も、歩く、跳ねる、登る、泳ぐ、潜るなど多様であり、それにともなって形態も適応進化している。本講演では、一般にあまり知られていない両生類の様々な運動様式と、その形態適応について紹介する。
15:20-15:40
(20分)
○崎山敬二(東京電機大学大学院)、伊東明俊(東京電機大学工学部)

「跳躍・舞踏ロボット用シリコンゴム腱構造付きアクチュエータの開発」
人型ロボットは近年急速な発達を遂げ,歩行はもちろん走行も可能なものが出現している.しかしその様式は人とは大いに異なる硬い動きである.一番の相違は,ロボットは人や動物のような柔らかさをもたらす腱や靭帯を関節構造に持たないことによると思われる.そこで,シリコンゴムによるロボット用人工腱をモータ・関節間に挿入したアクチュエータを開発しているので,これまでの開発過程を紹介する.
15:40-16:00
(20分)
〇Thow Tar, Naomi Kato and Hiroyoshi Suzuki (Osaka University)

「Development of Biologically-inspired Flexible Pipes for Tsunami Mitigation」
We developed a new type of biologically inspired “flexible pipes” as a tsunami countermeasure to reduce tsunami risk on energy storage tanks located in coastal areas vulnerable to large-scale tsunamis. Flexible pipes for the reduction of tsunami wave load acting on oil and gas tanks are firehose-like pipes on a much larger scale that can be inflated with compressed air to form long vertical pipes when tsunami occurs. These pipes can reduce the wave energy of the tsunami by energy dissipation similar to natural biological tsunami countermeasures such as mangrove and giant-kelps. We developed flexible pipes by mimicking such biologically inspired tsunami protection mechanisms. The purpose of this paper is to provide an overview of the development of flexible pipes and present the effectiveness of our pipes through the experimental results.
16:00-16:20
(20分)
休憩
第3部 招待講演(1件),一般講演(2件)
16:20-17:00
(40分)
○田中博人(東京工業大学 工学部機械工学科)

「ハチドリの羽根は模倣できるか?
〜シワの自己組織化を利用した人工翼の製作〜 」
鳥の羽根は、羽軸から羽枝と小羽枝が枝分かれして密集することで、軽量でありながら十分な曲げ剛性を有する翼面を実現している。このような翼面を人工的に実現するために、翼面となるフィルムにシワを配向させて曲げ剛性を高める方法を考案した。本講演では、特にハチドリサイズの羽ばたき翼に着目して、シワの自己組織化を利用した「シワフィルム」の製作方法と羽ばたき翼への応用例を説明する。
17:00-17:20
(20分)
○江口 剛,高木 力 (北海道大学水産科学院)

「魚群内の魚類の後流域発達と遊泳時エネルギー」
Weihsは,魚群形成により前方2個体の尾鰭振動から生じる逆カルマン渦列が流れを形成し,後方個体が利用することで遊泳時エネルギーの節約が可能であると理論的に示した。しかし,今までの研究で生体を用いてこのことを検証した例は殆どない。本研究では,実際に生体(ウグイ)を用いて複数の個体で並列遊泳した際の後流域の流場の状態を回流水槽でのPIVによって確認した。これにより後方個体の経験流速が低下し10-20%の遊泳エネルギー低減効果が酸素消費量の計測からも示唆された。
17:20-17:40
(20分)
〇三宅真亜子 (東海大院 ),丸島侑紀奈(東海大), 稲田喜信(東海大 )寺沢 文男 (新江ノ島水族館 ),酒井麻衣(近畿大),森阪匡通(三重大)

「ハンドウイルカの成長に伴う頭部形状の変化と「抱っこ泳ぎ 」の関係 について」
親子のイルカの並泳時にイルカの抵抗が低減する「抱っこ泳ぎ」において,子イルカの成長に伴う頭部形状の変化に注目した.そこで,頭部の高さと吻先までの長さの比から親子のイルカの観察結果から計測した比を含めた異なる4種類の模型を作製し,風洞実験を用いて抵抗を測定した.その結果,自然界の子イルカと同じ長さの比を持つ模型の抵抗低減の効果が最も大きく,「抱っこ泳ぎ」に最も適した頭部形状であることがわかった.
17:40- 移動・懇親会


○問い合わせ先

事務局:
〒120-8551 東京都足立区千住旭町5
東京電機大学 工学部 機械工学科
伊東明俊研究室内
エアロ・アクアバイオメカニズム学会事務局
E-mail: aitoh@cck.dendai.ac.jp
上記E-mailアドレスの全角@を半角@に変更してご利用ください
. TEL: 03-5284-5468,FAX: 03-5284-5693(伊東宛明記)

以上