会長からの挨拶

2022年4月 エアロ・アクアバイオメカニズム学会 会長 髙木力（北海道大学水産科学研究院 教授）

エアロ・アクアバイオメカニズム学会はヒトを含む動物の泳ぎと飛翔のしくみを研究対象として1997年3月に設立された学会です。

水産学を専門とする私は，水域から魚介類を生産する技術を研究していますが，漁獲プロセスを詳しく解析するためには魚類等の生物行動をしっかりと理解することが必要でした。そうしたなかで，水生生物は周囲の流体から物理的な影響を強く受け，それをうまく利用した結果として行動が表れていることが様々な観察から理解できることを本学会から教わりました。生物行動へのこうしたバイオメカニズム的アプローチは20年前本学会に初めて参加した私に鮮烈な印象を与えることになり，以後水産学のなかでバイオメカニズム研究を続けることになります。

食糧生産科学分野に身を置く私が本学会の代表となることはある意味異色と写るかも知れませんが，それだけに本学会が学際的であり，自由闊達に研究交流が行える証左であるようにも思えます。

今までと同様，年2回の定例講演，3年に一度の国際会議や国際論文誌を通して，様々な分野の方々と気軽で自由に研究交流を行える学会であり続けたいと思っています。 今後も末永くお付き合い下さいますようお願い申し上げます。